韓国の駐車場事情

日本では、自家用車購入にあたって、「車庫証明」の取得が義務付けられています。
「車庫証明」を取得するためには、駐車場の管理者が発行する「保管場所使用承諾証明書」が必要となるため、手間も費用も掛かり「面倒くさい」という印象をお持ちの方も多いと思います。
一方、韓国で自家用車を購入する際には、「車庫証明」の取得は義務付けられていません。日本に比べて、自家用車を保有するハードルはかなり低いと言えます。2023年のデータでは、人口1.99人当たり1台を所有している計算となっています。
※2022年から済州島だけは車庫地証明制が導入されました。
これだけ聞くと「うらやましい・・・」と思うかもしれませんが、そんな韓国の駐車場事情についてご紹介します。「車庫証明」が無い世界線の日本だと思ってお読みください。
前述のとおり、人口や土地に対して車が多い韓国の、特に都市部では、慢性的な駐車場不足になっていて、とにかく路上駐車(厳密には違法駐車)が多いです。細い路地の両側にも駐車車両が隙間なく連なっていて、すれ違うことすら難しい状況です。また自宅マンションの地下駐車場は、居住者の車両保有制限がないため、時間帯によっては居住者であっても駐車スペースがなくなってしまいます。苦肉の策として、駐車区画に駐車してある車の前に駐車します。その代わり、サイドブレーキは引かずに。奥の車を出す時は、手前の車を手で押して動かし、出庫します。駐車する際にサイドブレーキを引かないことは、韓国では、もはや運転手の常識と言えます。さらに、そのようなスペースさえも空いていないときは、車路の真ん中に駐車し、ピーク時は、駐車場全体に隙間なく何台も縦横に連なって駐車する状況になることもあります。そのような、さすがに一人ではすべての車を動かせない時には、フロントガラスの見えるところに掲示してある携帯番号に電話をして、動かしてもらうそうです。個人情報の問題よりも駐車場問題の方が深刻なのでしょう。
韓国では、フロントガラスに携帯番号を掲示するためのグッズも多数売られていて、おしゃれに携帯番号を掲示している人も多いそうです。
車を所有する手続きは煩雑だけど駐車場が確保されている日本と、気軽に車を所有できるけど所有してからの気苦労が絶えない韓国。どちらの車社会が快適と言えるでしょうか。
まめお